健常者よ。こんなとき、アナタならどうする? 日本一過激なバラエティ番組──その特番収録に立ち会ってみた

いま、日本で最も過激なバラエティ番組といわれる障害者福祉バラエティ「バリバラ」。その特番として昨年暮れに放送され、大きな反響を読んだ「ココがズレてる健常者」(以下、ココズレ)の第二弾が来たる8月18日(金)後10:00~10:50、NHK総合テレビで放送される。障害者100人がスタジオに大集結し、人気“健常者”タレントと本音のトークバトルを繰り広げるという前代未聞のこの企画。果たして第二弾の今回は前回を超えられるのか──白熱の収録と取材会に立ち会ってみた。

 

ここズレ

 

大きく後退した“余計な気遣い”

冒頭、番組の発案者であり、当日の司会を務めた放送作家の鈴木おさむは、こう述べた。

「前回のココズレは視聴率も良く、番組に対する評価も高かったが、“健常者”タレントの側に余計な気遣いがあり、イマイチ番組の趣旨が世間に届かない部分があった。今回は、それを払拭したい」

その鈴木の思いにカンニング竹山、FUJIWARA、土田晃之らのタレント陣は応えられるのか──筆者は強い興味を持って収録を見学した。

番組の基本的構成は、健常者→障害者、障害者→健常者、障害者→障害者という矢印で「究極の質問」(!?)が提示され、それを元に障害者側とタレント側がトークバトルを繰り広げるというもの。筆者が今回、非常に良かったと感じたのは、前回はフィーチャーされがちだった見た目でインパクトを残すことのできる身体障害者だけでなく、視覚的には健常者と区別がつかない精神障害者や知的障害者らにもきっちりとスポットが当てられたこと。そのことにより、確実に番組に厚みがもたされたように思う。

一方、障害者側と対峙するタレント側にも余計な気遣いが大きく後退し、積極的な発言が目立った。とくに番組後半、バリバラのレギュラーである玉木幸則から与えられたある難題をきっちりとやりきって見せたFUJIWARAの藤本敏史には強い“芸人根性”のようなものを感じた。

酒場でサラリーマンの話題になる番組になった

収録終了後には出演者の囲み取材も行われた。そこでは、タレント陣のリーダー格であるカンニング竹山の「誰でもなにかしらの障害を抱えている。“健常者”と呼ばれる人間などいない」という哲学的発言が印象に残った。
また、土田晃之は「一言で障害者といっても100人いたら100通りであることがよくわかった。障害者という枠組みで人を括るのは難しい。やはり障害は“個性”ととらえるべきではないか」と発言し、番組を通じて障害者観が大きく進化したことをうかがわせた。

ココズレ2

最後に、司会の鈴木おさむが、こう締めくくった。

「前回については尊敬するディレクターからダメ出しされた。番組的には良かったが、バラエティとしては面白くなかった、と。今回は障害者と健常者の間の壁が崩れ、バラエティ的にも成功したと思う。酒場でサラリーマンたちが話題にしてくれるような番組になったのではないか」

そう、昔、流行ったロック曲の歌詞ではないか、「いまにも壁はなくなるぞ」──そんなことを思わせる収録だった。今回のココズレは、確実に世間に届くだろう。

 

ココがズレてる健常者2-障害者100人がモノ申す-