実方裕二さん(58歳)は先天性脳性麻痺で手足が不自由、言語障害も併せ持つ。障害等級1級の重度障害者である。それでも自立生活を選び、料理人&経営者として東京・三軒茶屋で「caféゆうじ屋」を営む一方、自作のケーキの訪問販売にも出かける。また、「生活お見合い」など新しいカタチの障害者運動にも積極的に取り組んでいる。そのパワフルな生き方の源泉は何か、取材してみた。
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心病む人たちと地域住民の“共存”の場「クッキングハウス」
その創設30周年を記念する舞台の稽古を見学してみた
東京・調布市にある「クッキングハウス」は、心病む人たちに「建前は捨てて本音で生きていって大丈夫だよ」と安心感をプレゼントしてくれる「不思議なレストラン」だ。まだ「社会的入院」などという言葉すらなかった1987年、もしかしたら終生、精神病院で生きるしかなかったかもしれない人々が地域で暮らす上での「居場所」として12畳のワンルームマンションで料理教室(共同作業所)としてオープン。今では自然派レストランを2店舗構える労働と交流の場となった。そのクッキングハウスのメンバーが本年12月、調布市たづくり会館「くすのきホール」で「心の居場所 いのちの輝き」と題されたソシオドラマを上演する。5月某日、ドラマの合同練習会に参加してみた。
史上初の寝たきりお笑い芸人・あそどっぐは
生粋のお笑い中毒だった
「ブスと障害者は3日で慣れる」──脊髄性筋委縮症という難病を患い、顔と左手親指しか動かせない「寝たきり」の障害者でありながら、お笑い芸人として精力的な活動を続けるあそどっぐ(37歳、熊本市在住)の座右の銘だ。障害者=庇護すべき弱者というステレオタイプ化した世間の眼を逆手に取り、独特のパロディアスで社会風刺に満ちた笑いの世界を構築し続ける彼。そのお笑いの原点に迫ってみた。
アート制作に出会い、
私は生まれ変わった
漆嶌知子さん[アーティスト]▶障害のある人たちのアート作品を商品化に結び付ける「エイブルアート・カンパニー」。漆嶌知子さんは、そのカンパニー・アーティストの一人だ。精神障害と戦いながら、切り絵を主とした洗練されたデザインを生み出し続けている彼女のポジティブな生き方に迫る。